北海道の無人駅を紹介するシリーズ。
道南編・第6回は砂原支線の鹿部駅・渡島沼尻駅・渡島砂原駅を紹介します。
3駅とも開業当時の駅舎が残るレトロで素敵な駅でした。
なお、渡島沼尻駅はすでに解体されております。
道南編・第5回。今回から駒ケ岳を一周する砂原支線をめぐります。今回は池田園駅・流山温泉駅・銚子口駅を紹介します。流山温泉駅は到達がかなり困難で楽しい駅でした。
鹿部駅
鹿部駅、歴史がとてもややこしいです。
1945年(昭和20年)開業。
開業前には大沼電鉄鹿部駅がありましたが、国鉄鹿部駅開業とともに大沼電鉄鹿部駅は廃止に。
1948年(昭和23年)大沼電鉄が復活し、大沼電鉄鹿部温泉駅が開業。
翌年、大沼電鉄鹿部温泉駅が鹿部駅に、国鉄鹿部駅が鷹待駅に改称。
1952年(昭和27年)大沼電鉄が廃止となり、大沼電鉄鹿部駅も廃止に。
1956年(昭和31年)国鉄鷹待駅が再び鹿部駅に改称。
その後、1984年(昭和59年)に簡易委託駅になり、2005年(平成17年)に完全無人化となりました。
利用者は平日平均約80人(2014-2018)と無人駅の中でもかなり多いです。
ちなみに鹿部温泉は鹿部駅から7キロほどのところにあります。
道の駅しかべには間欠泉がありそうです。
駅舎。
改修こそされていますが、開業当時の雰囲気を今も残しています。
駅舎内。
装飾や掲示物に地域の歴史を感じます。
駅ベンチ。
とても良いですね…
待合室とホームの間にある空間。
稀にこの空間がある駅がありますが、風除室的な役割なんでしょうか?
ホーム側から見た駅舎。
看板が立派です。
表側の入り口はアルミでしたが、ホーム側は今でも木造の扉が使われています。
ホーム。
上が渡島沼尻駅方面。
下が銚子口駅方面(方角的には函館方向)
渡島沼尻駅
1945年(昭和20年)信号場として開業。
1987年(昭和62年)駅に昇格。
2021年(令和3年)駅舎解体。
駅舎は開業当時のものですが、1991年に一部撤去されています。
訪問は2021年秋で、解体の直前でした。
また、渡島沼尻駅はドラマ『鉄オタ道子、2万キロ』(2022)の7話でも登場しています。
駅舎内。
駅舎自体も小さいですが、内部はさらに狭い。
ここまで狭い待合室も珍しいです。
ホーム間は踏切でつながっています。
線路脇に佇む小さな駅舎がとても素敵です。
解体されてしまったのは本当に残念。
保線用の車両(?)がありました。
渡島砂原駅
1927年(昭和2年)渡島海岸鉄道の駅として開業。
1945年(昭和20年)渡島海岸鉄道国有化に伴い、現在の位置に移転。
1984年(昭和59年)簡易委託駅に。その後無人化。
駅舎は移転された1945年当時のもの。
建てられた年代は鹿部駅と同じですが、こちらの方がだいぶボロボロです。
こう見えても平日の利用人数は平均約46人なので、無人駅としては多い方です。
駅内部。
井戸端会議感のあるベンチ。
地元の子どもが描いたような「さわらマップ」がいい味を出しています。
ホーム側の出口。
有人時代の窓口が残されています。
駅舎のホーム側。
かなり年季が入っています。
ホームに上る階段。
階段の両脇はもしかしたらかつては花壇だったのかもしれません。
駅名標も年季が入っています。
ここもホーム間は踏切です。
ホーム。
夏の晴れた日に来たら気持ちよさそうです。
次回は砂原支線最終回。
掛澗駅〜東森駅です。