春の終わりから夏にかけて、小樽の市街地が霧に包まれることがあります。
そんなときに天狗山や毛無山に行くと、見事な雲海を見られるかもしれません。
発生頻度が高くないのでタイミングが難しいですが、一見の価値ありです。
雲海の発生条件
「雲海」と書きますが、その実態は霧です。
低地にたまった霧を上から眺めている形ですね。
その発生条件は以下の通り。
季節:春、または秋(冬を除く10月~2月ごろ)
時間:夜明け前~早朝
気象:湿度が高く十分な放射冷却があること(なるべく無風状態)
地域:山間部、盆地
ただし、小樽の場合は若干異なります。
季節:晩春~夏にかけて。秋以降はあまり現れません。
時間:夜明け~早朝じゃなくてもOK。(早朝とかの方が発生確率は高いと思いますが)
気象:海霧が山側に押し寄せることがあるので、必ずしも無風じゃなくてもOK。
こんな感じでしょうか。
気象学者じゃないので細かいことはわかりませんが、海と山に挟まれた町ならではの条件もあるようです。
こちらは雲海が現れた日の天狗山。
左側の山頂方面が明るく、右側の山麓方面が霧に包まれています。
ロープウェイもこんな状態。
この日は町の西側で発生した霧が東側へ流れていました。
その過程で一部が押し上げられ、山頂に達していたようです。
おそらく、西の海上から流れてきた海霧が山に沿って移動していたのだと思います。
こちらは同日に山頂の展望台から撮影した動画です。
雲が西から東へ流れていく様子がわかります。
こちらは天狗山の前日に撮影した毛無山の雲海。
海で発生した霧が山に流れてきていました。
どんな日が狙い目なのか?
小樽歴3×年の体感ですが、5~7月が最も発生しやすいです。
このように、私が今まで撮影した雲海はすべて5~7月に集中しています。
こちらは雲海ではないですが、赤岩山にかかる雲です。(2009年6月)
赤岩山は低いので、天狗山からは雲が眼下に見えたのではないでしょうか?
市街地が深い霧に包まれているときはチャンスです。
町中が霧に包まれているということは、その少し上は晴れている(霧がない)可能性が高いです。
また、麓から見て山の中腹に雲がかかっていて、かつ山頂が見えていれば、「雲海」はともかく、十中八九、雲を眼下に見ることはできます。
このような感じで、タイミングをうまくつかめば、意外と簡単に雲海を見ることができるのです!
北海道広しといえど、雲海を見ることができる街は少ないです。
トマムが有名ですが、他に手軽に見られるのは小樽函館くらいではないでしょうか?
太平洋側の沿岸は霧が発生しやすいですが、気軽に登れる高い山がありません。
その点小樽や函館は車で気軽に登れます。
“手軽さ”という点では、もしかしたら北海道イチかもしれませんね。
小樽を訪れて「今日は霧が濃いな」と感じたら、ぜひ天狗山・毛無山に行ってみてください。