Abobe社が提供する無料写真編集アプリ「Adobe Photoshop Lightroom」を使用し、写真をイラスト風に加工する方法の紹介です。
パソコンがなくても、スマホやタブレットで無料で簡単に加工することができます。
Photoshopの「Camera Rawフィルター」とほぼ一緒ですが、古いバージョンにはこの機能がないので、CCではない人はLightroomで加工すると良いと思います。もちろんデスクトップ版のLightroomでも可能です。
また、加工後に「MediBang Paint」(無料)や「CLIP STUDIO PAINT」(有料)等のアプリでさらに調整を加えたり人物イラストを足したりするのも良いです。
1. Adobe Photoshop Lightroom のダウンロード
ダウンロードは下記よりおこなってください。
アプリの利用にはAdobeアカウントが必要になります。
無料版では一部の機能が制限されますが、今回使用する機能は無料で利用可能です。
※予告なく使用できる機能が変更される場合がありますので、ご了承ください。
今回はiPad版を使って説明します。
iPhone:Adobe Photoshop Lightroom 写真加工
Android:Adobe Photoshop Lightroom – 写真加工・編集アプリのライトルーム
2. 基本調整
写真を読み込む
加工する写真を読み込みます。
シャドウを上げる
暗部を明るくし、明暗差を減らします。
写真は通常、目で見た風景よりも明暗差が大きくなります。
イラストは目で見た風景や記憶をもとに描くので、写真よりも明暗差が少ないです。(画風にもよりますが)
また、撮影する際には白とびに注意してください。
シャドウの部分には情報が残りやすいですが、白とびした部分は残りにくいです。
彩度を上げる
画材の性質もあると思いますが、基本的にイラストは発色が派手です。
現実はイラストに比べると地味で色褪せているものです。
草木の色を調整する
草木の中にある黄色やオレンジの色相を調整し緑に近づけます。
実際の草木には黄色が多く入っており、この黄色を緑に近づけると写真っぽさが減りイラスト感が増します。
春夏の素材限定ですが、かなり有効なので加工の際はぜひやってみてください。
今回は大雑把に全体の黄色とオレンジを緑に寄せていますが、できれば草木の部分のみ選択して調整した方が良いです。
部分選択は無料版Lightroomではできないと思いますが、PCであればGIMP(無料)等で可能だったと思います。
ディテールの調整 その1
明瞭度とかすみの除去でディテールを調整します。
ここは好みが強く出る部分なので、好きなように調整してみてください。
今回は上の画像のちょうに調整しましたが、たとえば次のような調整もできます。
基本的な調整はこのくらいです。
3. 仕上げ
ライトの調整
ここも完全にお好みで調整して下さい。
色の調整
色味の調整です。
爽やかな感じなら青寄り、暖かい感じなら黄色寄り、レトロ感なら緑を強くとか、そんな感じです。
ディテールの調整 その2
ノイズ軽減を強めにかけると、輪郭をある程度保ったままディテールを減らし、塗ってる感を出すことができます。
空の青さの調整
空の青さを調整します。
現実の空よりも深い青にするとイラストっぽさが出ます。
これで完成です。
4. もうひと手間かけたい人はこちら
「MediBang Paint」(無料)や「CLIP STUDIO PAINT」(有料)等のアプリでさらに手を加えると、よりイラスト感を出すことができます。
いずれのソフトもお値段以上の高機能なので、もっといろいろ手を加えてみたい人はぜひ試してみてください。
今回はCLIP STUDIO PAINTで少しだけ手を加えてみました。
メリハリの調整
レイヤーを複製して、2値化・乗算・不透明度22%
※メディバンでは1bitレイヤーという機能が近いですが、CLIP STUDIOのような細かい調整はできないっぽいです。Adobe Captureというアプリで似たようなことができるので、CLIP STUDIOをお持ちじゃない方はそちらを使用してみてください。
影の調整
乗算・不透明度46%
光の調整
オーバーレイ・不透明度33%
キラキラ感を足す(フリー素材を使用)
加算(発光)・不透明度20%
これで完成です。
少し手を加えるだけでも印象が変わりますね。
おわりに
最近はボタンひとつでイラスト化するようなアプリも多いですよね。
ただ、高解像度なデータを作成できなかったり個人の遊びの範囲でしか使えなかったりといろいろな制限が多いのではないでしょうか。
Lightroomを使った加工は、少し手間がかかる一方で、無料版でもそういった制限が少なく、また細かい調整も可能です。
コツをつかめば短時間で作成できるようになるので、ぜひ挑戦してみてください。
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