1962年の大夕張ダム完成に伴い形成されたシューパロ湖。
2015年には夕張シューパロダムの完成により、その大きさが拡張されました。
拡張に伴い、橋や木々が水没し、周辺では他のダムでは見られない不思議な光景を見ることができます。
大自然を一望できる新たなスポット、シューパロダム
夕張シューパロダムは2015年に完成した重力式コンクリートダム。
夕張の大自然を一望できるスポットとして、少しずつ人気が高まっています。
ダムまでは車で行くことができ、ダム上は徒歩でのみ通行可能となっています。
紅葉スポットとしても人気があり、秋には駐車場がいっぱいになることも。
写真中央に見えるのは出会い橋。
普段は入ることができませんが、紅葉時期に開放することがあります。
出会い橋から見たシューパロダム。
手前の四角い建物はシューパロ発電所。
ちなみに私が訪れたときは、橋上に熊らしきフンがたくさんあって始終ビクビクしてました(笑)
再びダム上から。
夕張川下流方面。
川を下っていくと、夕張の人気景勝地「千鳥ヶ滝」があります。
すぐ近くにあるダム管理事務所。
ダムや湖の歴史を知ることができます。
管理事務所側から見たシューパロダム。
立ち枯れの森が作り出す不思議な風景のシューパロ湖
シューパロ湖は大夕張ダム完成(1962年)により形成された人造湖。
シューパロダム完成により湛水面積が拡張し、朱鞠内湖に次いで全国2位の大きさになりました。
シューパロダム完成とともに水位は上昇し、水没した山の一部は立ち枯れの森となりました。
立ち枯れの木々と紅葉と冠雪した夕張岳。
いろいろな時間軸が交錯しているような景色です。
夕張岳は形が格好いいです。
シューパロダム完成とともに沈んだ橋や道
さて、木々以外にも、さまざまなものが水位上昇とともに姿を消しました。
上の写真はかつてシューパロ湖にかかっていた三弦橋。
下夕張森林鉄道線夕張岳線の一部として1958年(昭和33年)に完成。
三弦トラスという珍しい構造で、地域のシンボル的な存在として多くの人に愛されてきました。
この橋も、シューパロダムの完成により水没。
写真は2010年に撮影したもの。
ダム完成直前には、多くの人が見納めに来ていたようです。
シューパロ湖には大小たくさんの橋がかかっていましたが、そのほとんどが水没。
シューパロ湖から夕張川上流へ向かっていくと、沈んだ橋の一部を見ることができます。
通常「ダムに沈む」というと、大抵の構造物は奥底に沈み、ダムが干上がらない限りその姿を見ることはできません。
シューパロ湖のこの光景は、大夕張ダムとシューパロダムの2段階で水没したからこそ見られる珍しい景色なのです。
道路も途中で水没。
ダムの水位によっては、沈んでいた橋や道が、また見られることもあるそうです。
こんなダムはなかなかないですよね。
おわりに
夕張は破綻以降ネガティブなイメージを持つ人が多くなったと思います。
現実としても、廃墟も多く、明るいイメージは持ちにくいです。
今回シューパロ湖を訪れる際も、廃墟しかない地区を通り、驚きました。
しかし、それはそれで町の魅力のひとつでもあるので、ぜひネガティブなイメージをも観光資源にしていただきたいところです。
清水沢火力発電所は1926年(大正15年)に完成し、北炭の自家用発電施設として北海道の発展を支えてきました。現在は東亜建材工業株式会社が使用しており、夏季限定で一般公開が行われています。
2006年に閉鎖された石炭の歴史村。現在は石炭博物館だけが営業を続け、他の施設はそのほとんどが取り壊されてしまいました。しかし、どういう事情なのか、いくつかの建物は取り壊しを免れ、その姿を今でも辛うじて留めています。