北海道の最高峰・大雪山系の旭岳。標高は2,291m。
5合目までロープウェイが行くことができるので、高さの割に登りやすく、人気があります。
大雪山はアイヌ語で「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と呼ばれ(※)、その名のとおり下界とはまるで違った雄大な景色を見ることができます。
5合目のロープウェイ駅付近でもその雄大さは味わえるので、お手軽なレジャーとしてもオススメです。
旭岳登山ルート
1合目からの登山ルートもありますが、通常はロープウェイで5合目まで行き、そこから登ります。
谷を挟んで右側の稜線を登るのが一般的なルート。
旭岳を大きく迂回し、裾合平・間宮岳を通るルートもあります。
裾合平では美しい花畑を見ることができますが、往復7時間以上かかるのでそれなりの準備が必要です。
ロープウェイ姿見駅~姿見の池
5合目の姿見駅から姿見の池までは起伏の少ない道が続きます。
距離は1km弱(ルートによって若干変わります)。
遠くには噴煙、周りには高山植物が群生しています。
天気予報は晴れだったのですが、旭岳周辺は残念ながらかなり雲が多かったです。
高山なのでよほど運が良くないと晴天には巡り合えないのかも。
徒歩15分~20分ほどで姿見の池に到着。
上の方は厚い雲に覆われています。
姿見の池~6合目
姿見の池からいよいよ登山コース。
序盤は石がゴロゴロしているものの、比較的登りやすいです。
姿見の池方面。中央に見える小屋は緊急避難用。
左奥に見えているのがロープウェイ姿見駅です。
ときおり晴れ間が覗いていました。
少し登っただけでも景色が良いです。
右下の白い部分は雪。
旭岳では8月でもあちこちで残雪を見ることができます。
登山道はまだ緩やか。
あたりには巨大な岩が無数に転がっています。
谷の向こう側。
この谷ができたのは2千~3千年前。
地質学的にはかなり最近のものと言えるのではないでしょうか。
谷の噴気孔からはすごい勢いでガスが噴出しています。
風向きによってはかなり硫黄くさい。
間もなく6合目。
だいぶ雲に囲まれています。
6合目です。壁です。
ここから突然難易度があがります。
距離的には5合目~6合目が一番長いです。
6合目~9合目
6合目の壁を越えると、砂っぽい道に変わります。
かなり滑りやすく、登りにくいです。
左側は谷。足を滑らすと落ちるので注意が必要。
7合目あたりからは右側も急斜面になります。
雲が濃く、なんかあの世への道を歩いている気分。
8合目。さらにあの世感が増してきました。
9合目あたりは砂の色が赤い。
最後の難所。
この岩場を過ぎるともう頂上間近。
頂上・北海道で一番高い場所
ロープウェイ姿見駅から2時間半ほどで頂上に到着。
標高2,291m。
ここが北海道で一番高いところ、つまり北海道の頂上です。
雲で何も見えないけど。
ちなみに途中でかなり休憩を挟んだので時間がかかりましたが、普通に登れば2時間ほどだと思います。
ロープウェイ姿見駅方面は崖。
雲が濃いと崖なのかどうかもわからなくなるので気を付けてください。
ときおり雲が途切れ、大雪山系の雄大な景色の一端を見ることができました。
全体を見られなかったのは残念ですが、雲間から見える山々の景色はとても幻想的でした。
姿見の池~ロープウェイ姿見駅
下山後、姿見の池からロープウェイ姿見駅まで少し散策しました。
周辺では、凍結と融解を繰り返すことでできる「周氷河地形」や、大小さまざまな池、高山植物などを見ることができます。
これらの池が形成されたのは500~600年前。
かなり最近の話ですね。
チングルマの群落。
花は散っていましたが、散ったあとのこの独特の形状もかわいい。
姿見駅付近にもまだ雪がありました。
おわりに
近年は登山道もわかりやすくなり、遭難の危険性はだいぶ減りました。
時間も2時間前後で登れるので、登山としてはそれほど困難ではないと思います。
とはいえ、環境としては本州の3,000m級に匹敵するとも言われていますので、しっかりと準備をして登ってください。
山頂から20分ほどの距離にある石室までの道のりでは、様々な高山植物や大雪山の山々に囲まれた雄大な自然を楽しむことができます。運が良いとシマリスやエゾナキウサギの姿を見ることも。
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※カムイミンタラの訳については、「カムイ(ヒグマ)が遊ぶ場所」=「クマ出没地帯」が正しいとの説もあります。